「名品」と呼ばれる肥後ナイフ 

カネ駒製を超える肥後守&肥後ナイフも存在する。その幾つかを御紹介します。

12/17頁中段ほどの宮本武蔵シリーズの処に「白紙」の物が追加されました。


宮本武蔵特大片刃 池内刃物と宮本製作所コラボ製品 3500円 

刃材;青紙2号+極軟鉄(地金) 柄材:真鍮 全長224mm 鞘長122mm 刃長100mm 刃幅17mm 刃厚2.8mm 重量73g 槌目 片刃右 黒裏 縦スキ横押し 梨地 チキリ穴無 両面凡座金

09年10月これがYahooオークションに出品されているのに気づきすぐ入手しました。オークションのタイトルをそのまま書くと「世界初!宮本武蔵&池内刃物 青紙片刃肥後ナイフ槌目一本120mm」です。

以前「なぜ片刃の肥後守が無いんだろう?」と思い鍛冶屋さんに鍛っていただいた物を「カスタム」の頁に掲載してありますが ついに?というか宮本武蔵シリーズから片刃の黒槌目で製品版が登場しました。御世辞全く無しで「凄く切れます」まだ使い始めなのですが分厚い仕事用の封筒開けに使って 中の書類ごとスッパリ抵抗無く切れてしまい焦りました。平版の板に刃面を当てて見ると前面ベタ研ぎではなく先端10ミリ程が少し浮きます。小刃付とも違いますし何と表現したものか?とにかく これはコレクターでなくとも初心者でも大変に使い易く(恐らく)研ぎやすい逸品です。久しぶりに本気モードの御世辞無しで素人さんにも御薦めの肥後ナイフです。両刃と違うスムースな食い付き感が心地よく、鉛筆程度の木材なら一発でスッと削れてしまいます。マニアの方なら是非とも欲しくなる逸品です。特に裏側の軟鉄部分の味わいが良いです。山童の軟鉄とも違う感じの昔の和釘の肌合いに似た感じの肌合いです。いいですよ これは。


宮本武蔵シリーズ革ケース入 

黒鞘槌目仕上ナイフ(特大)レザーケース付4800円 真鍮鞘割込ナイフ(大)レザーケース付3600円

このHPを御存知の方ならば すぐ判る「宮本武蔵シリーズ」の新製品。革ケースが付きます。三木鍛冶屋村で購入。HPで迷子にならない直リンクです。御存知宮本製作所が造る肥後ナイフで 私がいつも初めて購入する方々に御薦めするのが画像上の槌目のタイプです。カネ駒と比較すると、最初から切れる刃が付けてありベベルストップがはっきりしています。研ぐ事に慣れない内は これが存外大事です。商品名は納品書記載の名称を記載しました。基本的にこの頁の下の方に掲載した物と同じなのですが、実にしっかりした革ケースが付きました。今迄カスタム系肥後守以外では越前守以外には無く、そのままポケットに入れてポケットの布に鉤裂きを拵えた方も多いと思いますが これで吊っておけば大丈夫。ここの処「富士鳩」さんとコラボモデルの白紙モデルを造ったり宮本製作所さんから目が離せません。上記HPでは桐箱入りセット物とかも扱っています。ケースだけ販売って難しいのかなあ?しっかり宮本製作所の刻印が入ってて良い物なのですよね これは。

※この写真からNIKON D-80 AFSNIKKOR18-135 F3.5〜5.6EDにカメラを換えました。接写が苦手なレンズなので交換レンズが必要ですが オリジナルでもこの位は近づけます。しかし天下のニコンもタイ製なんですね。


正鋼割込登録 菊管肥後守 2007年3月Yahooオークションで入手 

刃材:利器材鍛造 柄材:クロム 全長218mm 鞘長122mm 刃長95mm 刃幅24mm 刃厚3.9mm 重量107g 両面凡座金 チキリ穴有

さてこの肥後守を肥後守と表現して良いモノやら.....御覧になった通りで柄に収まりきらない巨大な刃と利器材をタガネで叩ききってチキリを叩きだした猛烈な姿。この菊管肥後守の刻印は現在永尾さんの所有になっていますが、とても永尾さんの手になるとは思えない豪快?な物です。資料によれば広島の「菊管」という会社のオーダーなのですが、柄は永尾さんの手によると見て間違いないでしょう。ただこの巨大な刃体をオープン出来る様に柄の切り欠きを素人仕事で拡張してあるのです(7枚目写真)。刃の先端もタガネで切ってグラインダ修正を施して有るだけみたいです。熱処理はきちんとしています。チキリも慣れた職人さんの手による物ではないですね、穴のセンターがポンチとずれています。面白いのは巨大な分厚い刃ですがオープンすると柄の下のラインに揃うようになっています。対比で出したのは「スーパー肥後守・武田刃物工場製」ですが こちらも大きな刃を格納する為柄の幅を広げ刃体を格納時全て隠れるようにした為オープン時に柄と刃のラインが少しズレます。鳩目穴もセンターより下にずらしてます。ところが菊管は鳩目穴が正中ですから格納時刃背部丸出しです。おまけに刃が格納時先端部から豪快にはみ出してます、全長は普通の特大サイズと同じです。またミント・コンディションでの入手だったのですが刃の研ぎが面白い。ベタで研ごうとした形跡がアリアリですが どうやら人工仕上砥石で研いだらしくツルツル・ピカピカになってます。プロだと#600とか#800で終了です。しかも鍛造で叩いた所が微妙に凹んでいるせいで妙な具合になってます。しかし実は刃物としての性能が半端じゃない、物は試しで篠竹を叩き切ったそのままで写真を撮影したのですが 判らないでしょ?トップヘビーが有利に働くので細かい作業は向かないかも知れませんが普通の肥後守では遠慮したくなる硬い対象を破壊出来ます。しかし この格好で市販されたんでしょうか?名前だけは刻印カタログで知っていましたが まさかこんな物凄い肥後守だったとは思いもよりませんでした。試作品なんですかねえ?いや凄いものです。

最後の4枚は取り合えず#1000のキング赤レンガだけで平研ぎしたものです。利器材だか割込だか自信が無くなってきました。研いだ時に刻印の部分で見事に丸く抜けた様になるのって時々有りますが、叩いた事で地金に変化が出るのでしょうか?シックネスゲージで測っても真っ平らなんですけど?

現在刻印が永尾さんの手元に有るので そちらに掲載しようとも思いましたが余りに豪快な肥後守で是非「名品」としてご紹介しようと こちらに掲載致しました。どうかご容赦を。


肥後守・金物のまち兵庫県三木市 2008年3月Yahooオークションで入手 

刃材:割込鍛造 柄材:クロム 全長170mm 鞘長96mm 刃長75mm 刃幅13mm 刃厚2.7mm 重量42g チキリ穴無 両面凡座金 刃の付根に鍬の刻印+○にT の刻印

まず時代は昭和の比較的新しい時代だと思うが、堂々と「肥後守」を名乗り、しかも三木市の名前が刻印されている。普通なら「登録商標」とか製造者の刻印が柄に有る筈なのにオカシイ、と脳内警報が鳴りだした。そして刃の付根の○にTは明らかに見覚えが有る。7+8枚目の写真が証拠で「トップマン肥後ナイフ」と同じ刻印である。この会社の肥後守は大昔?「くらしの手帳」でのユーザーテストで2位入賞を果たす位の切れ味を誇る。現行品は作っている職人さんが違うのか 以前が名人過ぎたのか?今でも昔の故小阪富男氏作の山政秋水やトップマンには相当な高値が付く。皆御存知なのだな。この個体も小阪氏が関与しているのか 研ぎ方がそっくりで最初から物凄い刃が付いている。もし現行品のトップマンなら宮本製作所のOEMであるが宮本さんのところでは肥後守の名前は使わないし もしも1回だけ復活だったら これは貴重品である。柄の刻印も打刻しただけでなく塗料を埋めてあり手間の掛かった造作である。実はオクで競り合いになったが何とか振り切って入手したもので 実物を手にして観察するとよくぞ落札出来たという逸品だった。これは三木市で公の行事か何かでお金を掛けて製造したものだろうか?


山正肥後守(秋水)(大)YaHooオークションで兵庫県加古川市のコレクタ氏から入手)

刃材:青紙?割込 柄材:クロム 全長180mm 鞘長105mm 刃長75mm 刃巾13mm 刃厚2.0mm 重量39g チキリ穴無 両面凡座金

これは昭和末期「名品」の名を残した故小阪富男氏作の「山正肥後守」(秋水という銘で著明)である。正式に肥後守を名乗れたものである。名前だけは耳にした事が有ったが まさかこうして実物を手にするとは思わなかった。名品というのは「暮らしの手帖」の昭和59年(1984)59号で「220本の肥後守をテストする」という、暮らしの手帖名物「商品テスト」において「肥後守利光」「肥後守トップマン印割込」と共にもっとも切れる肥後守ベスト3に選ばれているのである。この三本の内二本(トップマンも)が故;小阪富男さんの作品だった。ちなみに「カネ駒」は5位に甘んじている。この記事自体は、価格帯が60円から450円までの220本の肥後守・肥後ナイフを片っ端から購入し、「刃物の専門家2名」「小学校の先生2名」「暮らしの手帖研究室員男女各三人づつ」の計10人で、「シダー」という木を削り続け バテた個体から篩い落とすというテスト。当時の「暮らしの手帖」社の試験は今では考えられないほど権威と名声が有ったのだ。日本で自動食器洗い機の普及が遅れたり、全自動洗濯機の導入が遅れたのも「暮らしの手帖」社の試験でボロクソに書かれた為とも言われている。(スチームアイロンとテフロンフライパンは貶されたが普及した)それでメーカーが奮起して性能の良い物が市販されれば試験の存在意義は確固たるものとなる。

しかし自分が知っている暮しの手帖社には「負の遺産」として「赤ん坊のうつぶせ寝」を広めた事が有る。柔らかい赤ん坊の胸郭に体重がかかる事で遷延性窒息に似た症状が現れ、乳児死亡が多発したのである。更に嘔吐時に吐物で窒息が起きやすくなる。日本に うつぶせ寝を強く推奨する「スポック博士の育児書」を最初に誌面で大きく紹介したのは暮しの手帖社である。当時の社長が戦犯訴追を受けた日本のゲッペルス@花森安治氏であったのは時代の悪戯だろうか。氏は巣鴨プリズンを釈放されてから国民の前にスカート着用で現れるといった奇矯な行動でも知られる。かくいう私もうつ伏せ寝で育てられた。

閑話休題 テストそのものは依怙贔屓無しで 今のナイフマガジンより正確かもしれない。ただ二三回砥石を当ててから使うのが常識のカネ駒は、箱出しのままテストされていた。

結果を書くと一位が「肥後守利光」360円 二位「肥後守トップマン印割込」380円 三位「秋水肥後守」200円 これに次ぐのが「白鷹肥後守」200円 「肥後守定駒」200円 「観龍肥後守」200円 「肥後守トップマン印鍛造」250円 「ハリマ肥後」の刃渡り8cmの物 300円 「宗近肥後」黒塗鞘刃渡り7cmの物 200円 だったそうである。(金額も含め、全て当時の表記による)誌面での結論の一つに「肥後守は切れるが肥後ナントカは切れない物が多い」とある。当時の記者の方が現在の十数万円からの肥後ナントカを見たら卒倒するかもしれない。

この個体だが(1994年小学館「ボーイズカタログ・野外探検道具の新一流品も参考にした)刃は非常に丁寧に砥石が当てられている。刃先の研ぎの奇麗なこと。鳩目には裏表ともにワッシャーが入っている。チキリは丸っこい比較的小型の叩いた物が付いている。肥後守を選ぶポイントに「各サイズがきっちりした数字」「ワッシャーは裏表」「格納した刃が真ん中に来る」「開いた時に180度まで開く」「チキリが叩いて潰してある」という重要チェックポイントがある。この「秋水」は満点合格である。こういう名品が残っていた事にも驚くが こういう物が消えてしまった現在の日本に幾許かの寂寥感を覚える。

蛇足だが昭和59(=1984)年に起きた様々な事件等について記す。1月26日「疑惑の銃弾」を週刊文春が書き「ロス疑惑」が連日テレビから垂れ流される。2月9日ソ連でアンドロポフ書記長死去、チェルネンコが後継者になる。日本の首相は中曽根氏であった。3月18日江崎グリコ社長誘拐「グリ永事件」が起きる。未だに事件は未解決のまま。7月7日日本初のAIDS患者を新潟の病院で確認。7月28日「ロサンゼルス・オリンピック」開催(ソ連等不参加)8月24日「投資ジャーナル事件」中江滋樹逮捕。倉田まり子巻き添え。10月31日インディラ・ガンジー首相暗殺。11月1日新札発行(福沢諭吉 新渡戸稲造 夏目漱石)テレビCMでは「エリマキトカゲ」「私はコレで会社を辞めました」雑誌フライデー創刊、映画では「お葬式」「瀬戸内少年野球団」「風邪の谷のナウシカ」「ゴーストバスターズ」他にはマイケル・ジャクソンがグラミー賞11部門受賞、「金魂巻」「見栄講座」「植村直己マッキンリーに死す」「ドラゴンボール連載開始」「トルコ風呂からソープランドへ」こうやってみると22年の歳月を感じる。

秋水は、ごく稀にYaHooオークションで出品されるが、結構高価なものとなっている。


登録山正肥後守別打(秋水)(中)07年3月 兵庫県加古川市のコレクタ氏から入手

刃材;全鋼 柄材;クロム 全長156mm 鞘長90mm 刃長63mm 刃幅12.2mm 刃厚1.9mm 重量28g

チキリ穴無し 両面凡座金

言わずと知れた「秋水」の中サイズ。自分は勝手に秋水は「大」しか無いのだと思い込んでいたら ちゃんと中サイズが存在した。正に学童用サイズだが故・小阪富男さんの仕上げによる刃は恐ろしい程鋭い物である。7枚目の写真は同じ小阪富男さんの手による萬成肥後守と並べたもの。8〜10枚目は小阪富男さんシリーズというわけで8枚目が上から萬成 秋水 トップマン、9枚目は拡大像、10枚目が秋水 萬成 秋水という全品ミントコンディションの豪勢な組合せ。全品ほぼ均一なフラットグラインドである。2ch刃物板で萬成は小阪富男さんの作か?と書かれていたが これを見れば まず同じ人の手による物と思う。裏面の「秋水」の文字が大サイズと字体 大きさが違う。大では明朝体で深く太いが中サイズは細く浅めである。


トップマン特選工作ナイフ肥後守ナイフ 特大 コレクタ氏から入手 現行のトップマンとは全く別な物なので御注意を。

刃材:利器材 柄材:ステンレス 全長215mm 鞘長113mm 刃長98mm 刃巾17mm 刃厚2.9mm 重量69g チキリ穴無 両面凡座金

上記「暮らしの手帖」誌で秋水と共にベストに選ばれた「当時の物」。前所有者の御好意で入手することが出来た。感謝。本来 肥後守・肥後ナイフは子供が工作に用いる目的で作られた「大量生産品」なのだが、種々様々な肥後守・肥後ナイフを見ているうちに その中にも職人さん手作りの気概を感じるものが多々存在している。このトップマンも「暮らしの手帖」の昭和59年(1979)59号で「220本の肥後守をテストする」という、暮らしの手帖名物「商品テスト」において「肥後守利光」「山正肥後守(秋水銘)」と共にもっとも切れる肥後守ベスト3に選ばれているのである。こうして「暮らしの手帖」誌で紹介される幸運な個体も有れば 名前を知られていないが、越後守秀和(下の方に有ります)のような逸品に当たる事も有る。このトップマンは柄に非常に浅いゴシック体の刻印で「トップマン特選工作ナイフ」裏側に「肥後守ナイフ割込鋼付」の文字が有ります。(非常に小さな字です)ステンレス柄は材質が堅いので、どうしても刻印が薄くなる傾向が認められます。逆に柄材の鑑別に使うことも出来ます。ジョイント・ピンは細目で両側にワッシャー有り、チキリは叩いて潰してあります。刃に「小刃」は付いていません。秋水と同じ職人さんの手になる(故 小阪富男氏作)物で ブレードのグラインダ痕が奇麗に消されています。フラットグラインドで箱出しで既にシャープな刃付けがしてあります。本家肥後守が二三回研いでからアタリが付くのと思想的な違いが出ています。どちらが良いかはユーザーの考え次第です。現在も「トップマン」印の肥後ナイフは販売されていますが 全くの別物と思って下さい。現在売られている物は形状や材質から見て「宮本武蔵シリーズ」のクロム柄の物と外見がそっくりです。トップマンは文房具の販売や卸しを行っている会社です。写真が暗かったり 刃がねずみ色掛かった感じなのは写真の腕の所為です。クロム柄だと刻印を写すためには全体を暗めにしないと良く見えず、特にこのトップマンのような浅い刻印は難しいですね。何とか奇麗に撮影しようと「ハクバ・スタジオボックス」を使っているのですが。(^^ゞ


肥後守ナイフ割込鋼付/トップマン特製工作ナイフ 08年2月Yahooオークションで入手

刃材:利器材 柄材:クロム 全長171mm 鞘長98mm 刃長76mm 刃幅14mm 刃厚2.7mm 重量43g チキリ穴無 両面凡座金 刃体根部に「三木 ○にT」の刻印有り。

現行トップマンでは無いと考えられる「大」サイズのものである。すぐ上に有る故 小阪富男氏作の物とも違うように見受けられます.......自信無いです。元々トップマンの刻印は特大サイズでは薄くて見えないのが特徴で見た目が宮本武蔵シリーズのクロム柄と鳩目金具が違うだけに見えるのも特徴です。このトップマンは刻印が実に深く打ち込まれ これまた特徴の「ふりがな」までくっきりと見えます。刻印そのものは特大も大も同じです。ただ特大サイズの場合字が折り目側に寄って打ち込まれているのに対し きちんとど真ん中に入っています。刃体下部の「三木○T」ですが資料を漁っても該当が有りません。○にTAか○に干は有り前者は肥後守久宗 後者は肥後隆義の商標ですし 山の下にTOはゑびすナイフで商標登録されています。故 小阪富男氏作の物は実物を触れば誰でも区別が出来ます、それだけ加工精度が高いものでベベルライン(刃体部と刃面の境界線)が一直線に定規で引いたかのようになっています。写真で比較している真ん中が故 小阪富男氏作のものです。ポイントの部分で刃のせり上がりと平行に刃付けされています。さてこの個体を見ると刃のライン凹凸でベベルライン波打ち小刃を立てるためオイルストーンか何かで刃と平行な傷が有ります。小阪富男氏作ではないと思う根拠です。ただそのお陰で切れ味は凄いです。柄の刻印に関しては少なくとも41年前の物には刻印最上部に★のマークが有ります。これは自分で確認できる物には全て入っていました。いつから★マークが入るようになったのか鋭意捜索してみます。

メールを下さったMさんの古いトップマンには★が有りませんでしたので50年程は経過した個体だと思います。


鋼割込 角秀 登録商標 肥後守 縦折鞘 2007年9月Yahooオークションで入手 

刃材:利器材 柄材:ステンレス 全長168mm 鞘長93mm 刃長75mm 刃幅13mm 刃厚2.8mm 重量38g チキリ穴有 両面菊座金 縦折鞘 柄材厚1.0mm

あまり雑誌の特集記事や書籍等でスポットを当てられない肥後守である。しかし何とも言えない重厚感や作りの良さ 品の良さを感じ、ここに掲載する次第。分厚い縦折鞘はステンレス製で両面菊座金を使い恐らく昭和も30年代あたりの制作だと思う。その頃までは縦折鞘は生き残っていた、とは言ってももう50年が経過している。刃はご覧の通りで利器材のストレートラインが解る。この角秀だが登録商標肥後守を名乗っているのに文献に詳細が無いのである。恐らくこれがそうかな?というのは商標公報の「肥後守秀(宮)11462」で三木市平田から登録されているのだが「宮本武蔵シリーズ」の宮本製作所と同じ住所であり登録者も同じ宮本姓の方である。現社長の血縁の方と御見受けする。(違ってたらゴメンナサイ)戦前の肥後守のところに二本写真が有るので そちらも見られたい。五枚目の写真で比較対象にしたのは「カネ駒 大」である。両面菊座金やチキリ穴 戦前型を彷彿とする丸っこいチキリと言い実に品の良い縦折鞘肥後守である。是非現代にも復活して欲しい感じがする。真鍮価格暴騰でステンレス鞘が避けられなくなったら この縦折鞘にする方法も考慮に値すると思う。


商標名刀肥後丸 縦折鞘 2007年9月Yahooオークションで入手 

刃材:割込 柄材;鉄 全長153mm 鞘長85mm 刃長71mm 刃幅12mm 刃厚2.8mm 重量31g 片面菊座金 チキリ穴無 縦折鞘 柄材厚1.0mm

これまた謎の肥後ナイフである。肥後守を名乗っていない為 由来等全く解らず商標公報でも見つからなかった。 名の有る職人さんの作かと思う。最初利器材かな?と思ったが これはまず間違いなく手で作っている。入手時は恐ろしく錆果てていたのだが意地で修復しなくては、と思わせるサムシングを感じ徹底的に修復したもの。柄が鉄製なので錆が凄かったのだ。写真で解ると思うがチキリは戦前型、名刀は右書き、刃の付根に荒研ぎの痕跡が残っており手で研いだものらしい。なぜか裏面の座金が凡座金で元々片面だけが菊座金だったらしい。磨り減ったのか?とルーペで見ても菊の筋が無い。色々な肥後守を集めていて つくづく思うのだが「造りの良い肥後守は錆びていても必ず修復出来る」という事である。これは恐らく確実に戦前の作と推量できる。縦折鞘は分厚く 指で潰そうとしても全く潰れない程頑丈である。これが真鍮だと厚さが2mm無いと曲がってしまう。刃材の温度処理もきちんと行われており ヤワな天然偽天草砥石を削り倒してしまった。結局手持ちの#1000で最も固いキングの人工砥でないと歯が立たなかった。まだ黒錆が多少残っているが この状態でティッシュをスパスパ切れる。少し使い込んでから再度研いでみる予定(二時間以上こいつに掛かり切りだったのだ)どなたか由来について御存知の方はいらしゃらないだろうか?実に気品の有る個体だと感じる。


萬成登録肥後守 07年3月Yahooオークションで加古川市のコレクターの方から入手

刃材:全鋼 柄材;クロム 全長170mm 鞘長97mm 刃長76mm 刃幅13.7mm 刃厚1.9mm 重量35g

チキリ穴無 両面凡座金

小阪富男さんの作とのオクの説明文を読みムキになって落札した物である。梨地のクロムメッキが新品の如く光っている。資料にも兵庫県三木市産とあり由緒正しい肥後守である。ちなみにこの平たいワッシャーを凡座金という。現在はカネ駒以外は菊座金を使っていないが 昔は他のメーカーでも菊座金を使っていた事が資料に残っている。写真で見えているがチキリの横も丁寧にヤスリ掛けされている。刃はグラインダで整形すると刃先から見れば刃体部中央が凹面になるが これをフラットグラインド(ベタ研ぎ)に整形し直すわけである。

あまりムキに真っ平らになるまで研ぎすぎると今度は刃が薄くなり弱くなってしまう。この見極めは結構難しい。安物の学童用肥後ナイフを徹底したベタ研ぎにしたら刃が薄くなってしまいカミソリ状態になってしまった。萬成にしろ秋水 トップマンいずれも奇麗に平面が出ているのに切っ先から見て奇麗に刃角が揃っている。


肥後司(豆サイズ)Yahooオークションで入手 

刃材:全鋼 柄材;真鍮 全長82mm 鞘長48mm 刃長36mm 刃幅9mm 刃厚1.7mm 重量8g チキリ穴無 両面菊座金

これが現在2chの肥後守スレで偽物疑惑を持たれた品そのものです。肥後司は「肥後司春重」として商標公報で登録が確認でき、兵庫県小野町小野のMさんという方が登録されています。入手後信頼のおけるコレクター三名の方に連絡を取りお譲りした結果を待ち ここに掲載した為遅くなりました。結果ですが間違い無く「真正」であるが真鍮が奇麗過ぎ時代については未だ不明 但し肥後守として非常に精緻な作りであるという事から この項に掲載いたしたものです。写真五枚目からは刃を1000番のキングの人工砥を当てて一皮むいた状態で、きちんと熱処理が施されているのが御解りいただけるかと思います。真鍮ですが銅と亜鉛の合金で 銅が多いほど赤味が強くなり「緑青」を吹きやすくなり亜鉛が多いほど色調が黄色みを帯び緑青を吹きにくくなります。緑青は銅と酸素によって起こる銅の錆ですから何かの理由で酸素と遮断される事で製造時の色調を保ち更に亜鉛が多ければ緑青の発生が抑えられます。ですので奇麗すぎるという評価は柄材からは不可能です。またこれだけ小さな物でありながらチキリは大きさが不ぞろいですから間違いなく手で打っています。鳩目金具は磁石に強くくっつき鉄製で間違いなく 両面とも菊座金を使用しています。「商標」の文字は右から左向きに書かれていますが戦後の物でも右書きの物が有りますから これで時代を云々するのは不可能です。ブレードは薄く全鋼でプレス抜き。荒削りの後、焼き入れ。研磨機で砥いだ後に刃を砥石で仕上げたらしく 拡大して見ると斜めの砥ぎ目に乱れがある為手仕上げのように思います。両面菊座金ですが色が白く「肥後虎徹」の物(戦前)が同じ物の様に思います。写真では比較検討の為現在入手できる最小の肥後守である「カネ駒製豆肥後」と比較しております。個人的な見解ですが「比較的亜鉛の多い真鍮板を使い ベストコンディションで保管されていた個体で戦前物の特徴を全て持つ真正肥後司」だと推量します。ただ製造は戦後かなあ?という気もしますが確証は有りません。

追記)同じ出品者から更に五本の肥後司が出品されましたが コンディションがイマイチ不ぞろいで色調も年季の入った色でした。最初に出品された物がベスト過ぎてあらぬ疑いを掛けられた様に思います。

※肥後司春重を「学童様肥後ナイフ」の一番上に追加してあります。


意匠登録つる・まつ YaHooオークションで2006年7月 静岡県の方から入手。

刃材:全綱 柄材:真鍮 全長147mm 鞘長85mm 刃長62mm 刃巾12mm 刃厚2mm 重量23g チキリ穴無 座金無

この「つる・まつ」だが並木書房刊「ナイフの楽しみ」の192頁上段の写真右端のものが、全く同一の物のようである。写真には「模様入りナイフの型」小野市××町×中×信氏寄贈、とあり解説には「肥後守全盛時に出荷された模様入りの製品。」と有った。三木市で意匠登録も行われていた。

登録の登が旧字体で 平仮名で右から左に書いてある。通常柄に文字を入れる場合「刻む」のが普通だが これは絵も文字もプレスで浮き出させてあり 摩耗の痕は皆無である。入手時刃は さび止めに使用した油が固着してしまい 或る程度洗浄油とリューターで落した後 青棒で研摩した。何故か右側面だけに「小刃」が付いていた。かなり良い材料を使っている様子だ。チキリは小さめの丸っこい形状でジョイント・ピンは細く頼りないし潰し方が甘い。何か目立たないように加工した感じである。普通の肥後守ならピンはワンポイントのアクセサリー的なものなのに。(下記「原肥後守」はピンを意図的に隠した)ワッシャーは両面共「無い」。花弁状に見えるのは柄の浮き彫りである。戦前の標準サイズで現在の「中」より一回り小型の肥後守だが 「最盛期の肥後守」が謎である。昭和20〜30年代前半であれば旧仮名遣いなわけがないし、昭和20年代なら材質は もっと酷い筈。これは一度三木金物資料館に行ってみねばなるまい。


意匠登録 まつ/つる Yahooオークションで2007年12/22入手 

刃材;全鋼 柄材:鉄 全長160mm 鞘長92mm 刃長72mm 刃幅12mm 刃厚1.7mm 重量22g チキリ穴無 両面座金無

これがまた悩ましく珍しい個体である。入手時には絵柄全体に錆が固着していたが何とか除去できた。すぐ上に掲載した登録商標「つる まつ」は戦前物だが こちらも「つる まつ」こそ書いていないが やはりプレスで絵柄を浮き出させる手法が同じで絵柄も概ね同じ。でもよく見ると意匠の文字の位置が向かって左に寄っていて チキリを向かって左に見た時に意匠・右に見た時に登録、と鏡像関係になっている。よくよく見ると絵柄も少し違ってはいる。また大きさそのものが「つる まつ」よりも大きく素材も真鍮柄から鉄柄になっている。どういう経緯が有ったのかと資料を漁ると「まつ/つる」と区別して「三木市金物博物館」に所蔵されている物のようである。扱いは別バージョンではなく「別個体」になっている。出来具合としては こちらの方が粗っぽい印象を受ける。この浮き出し型で柄を作る手法は他の肥後守&肥後ナイフには殆ど見られない物であり、収集する立場としては見かけたら多少値が張っても手に入れたくなる物である。


特製(梅に鴬の図案?)肥後峯則 2007年2月Yahooオークションで入手 

刃材:全鋼 柄材:真鍮 全長160mm 鞘長90mm 刃長70mm 刃幅13mm 刃厚2.2mm 重量26g チキリ穴無 座金無 

上記の「つる/まつ」「まつ/つる」との相似点が有り過ぎる程の肥後ナイフだが 一切の資料に その名前の出てこない幻の肥後ナイフである。まず間違いなく「つる/まつ」と同じメーカーの手になる物と思う。これは4枚目5枚目の写真でも御納得いただけるかと思う。刻印ではなくプレスで図案を打ち出し それを横折鞘にする手法といい 鳥をモチーフにしている点といい共通する何かが有る。座金は初めから無かった様で 特製の文字は左から右なので戦後の作だと推量、ただ真鍮の色は古いものである。相当使い込んでいる為表面が磨り減っているが刃は先端部が減っている以外には痛んでいない。図象の鳥だが多分横にして見るものだと?鳥の尾の右に有るのは どう見ても梅だがそれにしては葉は梅には見えない、どっちかというと柳の葉である。鳥の図象は細部まできちんと描出されている。「つる/まつ」は三木市の三木金物資料館所蔵で個人寄贈と有ったが この峯則は有るのだろうか?もし無ければ初めて見つかった証拠物件になる。Yahooオークションでは切出し小刀やクリ小刀と一緒に出品されており気合いを入れて落札に掛かったら2ch刃物版で「どうせTさんに.....」と書かれていた、<(_ _)>


登録観龍肥後守別打・大大 2007年1月Yahooオークションで入手

刃材:全鋼 柄材:クロム 全長220mm 鞘長120mm 刃長102mm 刃幅16mm 刃厚2.5mm 重量65g チキリ穴無 両面凡座金

これは兵庫県三木市産品のれっきとした肥後守である。実にしっかりした堂々たる品格の有るブランドである

ちょっと変わっているのが柄の鳩目側に開けてある小穴である。。昔 子供達が和服だった頃はポケットが無い為、ここにタコ糸を通して首から下げた名残なのだ。しかも縦折り鞘の頃の名残で この型でタコ糸を通したら邪魔、というより刃をオープン出来なくなる。今でもカネ駒の高級版のチキリに開けられた小穴も同じ意味を持つ。チキリならタコ糸を通して首から下げれば刃が不意に開く事も無いが これのは まあ御愛嬌か。反対側に小穴を開けたら 刃をオープンして下さい、と言う様なものだし。多分「高級品」を意味する小穴なのか?。

其れは兎も角「暮らしの手帳」昭和59年(1984)59号で「220本の肥後守をテストする」で優れた肥後守と認定された物全てが やっと揃ったわけである。観龍肥後守は第六位である。一位と二位は小坂氏の優れた製作技術の賜物だから 大量生産品としてのベスト5に入ると考えた方が現実的だと思う。観龍肥後守は現在でも関西・九州方面を中心に入手出来る。刃は全鋼だが 正確な熱処理が施されており 相当鋭い切れ味である。少しグラインダ痕が目立つが チキリの整形は丁寧に施され、ワッシャーは表裏二面、刻印が少々斜め打ちだが深く打たれている。紙箱のデザインが好きで こういう飾り気の無い箱に明朝体?の味の有る書体で必要最小限かつ言いたい事全てを書いてある....が 製造元も販売元も書いてない。これぞ肥後守&肥後ナイフの「お約束」である


肥後守を名乗れない名品肥後ナイフ つまり三木洋刃製造業者組合に属していない三木市のメーカーですが、紛う方なき肥後守です。しかも とても良いものなのです。
登録商標剣聖宮本武蔵真鍮柄 白紙割込 富士鳩特注品 約1800円

刃材:白紙割込利器材 柄材:真鍮 全長220mm 鞘長75mm 刃長96mm 刃幅16mm 刃厚3.4mm 重量75g 両面凡座金 チキリ穴無 裏面に富士鳩刻印有り

以前から肥後守&肥後ナイフトップ頁で「出るよ」と告知していた物の現物です。予想以上に重厚な作りで すぐ下に有る「多層鋼」よりも一回り重くなっています。肥後守&肥後ナイフでは青紙割込が主流というのか 白紙仕様の物が佐治氏の「越前守」位で 普段遣いで使える肥後ナイフとしては初めてのものではないでしょうか。これを造られたのは 過去には「分銅カネ宮」肥後守を作り、現在は宮本武蔵シリーズを造っている宮本製作所さんですが、制作を依頼されたのはYahooオークションの天然砥石で御馴染の「富士鳩」さんです。好みは分かれると思いますが熱処理がきちんと施された白紙の切れ味は個人的には青紙よりも好きなのです。

それはともかく、造りの丁寧さは以前より本家カネ駒をしのぐ宮本武蔵シリーズの上、箱出しで即座に切れる素晴らしい刃付けが施されています。先端の角度がカネ駒よりも尖っていなません。勿論刃打ちや曲がりは皆無で宮本武蔵シリーズ最重量級の名前に恥じない造りで是非使って欲しい物です。6と7枚目は私の普段遣いのカネ駒青紙割込(特大)と比べたものです。宮本武蔵シリーズの刃独特の「反り」が良い雰囲気です。現在普段遣いをこれに切り替えて使っている処ですが実に切れ味鋭く衰えを知らない状況です。仕事柄分厚い紙の封筒やら薄手でベタベタ合成糊の付けられた封筒とか一日何通も開封したりインフルエンザ検査キットの厚紙箱を破壊したりしていますが切れ味が衰えません。宮本さん 相当熱処理に拘ったのではないかしら?と思って使ってます。

最後の写真だけが日常使い込んだ物を俗に言う「赤レンガ」(キング#1000)で研いだ物です。切れ味が落ちるまで一ヶ月かかりました。

ちなみに連絡先ですが富士鳩HPで御尋ね下さい。ロットに限りが有ると思います。


登録商標剣聖宮本武蔵真鍮柄多層綱・特大+ペーパーナイフ入りギフトボックス 15000円 

刃材:多層鋼利器材 柄材:真鍮 全長216mm 鞘長124mm 刃長100mm 刃幅16mm 刃厚2.6mm 重量67g ワッシャー両面 チキリ穴無

首貫刀風ペーパーナイフ刃材:ステンレス共柄 全長207mm 刃長128mm 刃幅14mm(付根) 刃厚1.8mm 重量29g

2007年1月末にe-刃物さんのサイトに掲載された「ギフトボックス」である。「剣豪宮本武蔵シリーズ」の詳細は すぐこの下に記載してあるので そちらを読んでいただくとして省略する。

今迄の宮本武蔵シリーズには無かった「真鍮柄の多層鋼」仕様である。首貫刀に似たデザインのペーパーナイフと桐箱に収められ結構なお値段であるが、現在真鍮の価格が暴騰していて止むを得ない価格である。カネ駒ですらステンレス柄の高級版を出しそうになっている時に、真鍮柄で箱入りギフトボックスにした理由がワケワカメである。まさかバレンタインデイにこいつを呉れという独身男性が居るとも思えないのだが?(私は欲しいが家内が呉れる訳が無い)個人的には黒鉄柄で使っている刃材の真鍮柄が欲しかったが この豪華仕様では仕方がない。閑話休題 ご覧の通りの高級版であり如何にも宮本製作所産らしい丁寧で几帳面な如才の無い造りである。刃材は今迄の多層鋼版で使われていた2.6mm利器材である。薄い分カネ駒利器材よりも食い込みが良いが長切れは弱い。最後の写真が私が普段遣いして多少磨り減ったカネ駒の「竹虎青紙割込」だが 重厚感が全く異なる。重量も107gと随分違うから仕方がないのだが最高級版として桐箱に収めるなら柄材をもっと分厚くして欲しかった。華奢に見えてしまい桐箱に負けるのだ。考えたくも無いのだが、永尾駒製作所に一朝事有った場合「肥後守」の名跡を継げるのは宮本製作所さんしか無いだろうというのは誰もが皆思っている事であろう。今の宮本武蔵シリーズに唯一足りないのは「重厚感」だけだと思う。過去「丸宮肥後守」を造っておいでの事だし真鍮柄で青でも白でも分厚い割込の刃を持った武蔵が見たいと思う。是非「肥後守」世界へと復帰していただきたいと心から願っています。(学童用肥後守の頁に「分銅カネ宮」を追加しました)


登録商標剣聖宮本武蔵多層綱・特大 大

「特大」 多層綱青紙割込 柄材:銅 全長220mm 刃長95mm 鞘長120mm 刃厚3mm  刃巾16mm  重量75g チキリ穴無 両面凡座金

「大」  多層綱青紙割込 柄材:銅 全長175mm 刃長75mm 鞘長100mm 刃厚2.8mm 刃巾12.5mm 重量45g チキリ穴無 両面凡座金

「肥後ナイフ」の代表格である「剣聖宮本武蔵」シリーズです。三木市にある「宮本製作所」が作るもので1960年に商標登録。組合から離脱した為「肥後守」を名乗れませんが これがナイフとしての仕上げが とても優れています。会社は昭和5年 初代宮本三郎氏がナイフの製造を始めたそうです。自家鍛接材では有りませんが多層綱特大の反り返った形は 成程日本刀のイメージなんだな、と感じます。カネ駒と比べると 全体の造りが華奢に感じられます。それと 長く使っていると柄の銅版の色に変色が起きてきます。これを「味」と捉えるか「変色」と捉えるかは個人の感性でしょう。その柄の厚みは1mmとカネ駒のものと同じです。7と8枚目はカネ駒の多層鋼特大と大との比較写真です。宮本製作所は兵庫県三木市で昔は「分銅カネ宮肥後守」を作っていました。その後組合を抜けられた為「肥後守」を名乗れず、今の御主人が、独自ブランドで登録していた剣聖宮本武蔵をネット販売しています。 分銅カネ宮肥後守の時からの特徴でチキリが丸っこく可愛い感じです。=我々悪ガキ共は「マル宮」と呼んでおり 関西在住の方にも通じました。


剣聖・宮本武蔵 鎚目・黒鞘 特大・大

「特大」SK材割込 全長220mm 刃長95mm 鞘長120mm 刃厚3mm 刃巾16mm 重量70g チキリ穴無 両面凡座金 2310円

「大」 SK材割込 全長175mm 刃長75mm 鞘長100mm 刃厚2.8mm 刃巾12.5mm 重量45g チキリ穴無 両面凡座金 1890円

シンプルですが どちらかというと この槌目黒鞘のほうを私はオススメしています。メールで予算と大きさを書いてこられる方が結構いらっしゃいますが2千円台で特大というと まず宮本武蔵鎚目黒鞘を推薦しています。この刃材は この鎚目黒鞘だけのもので表面が本当に鎚目に見える複合材。圧延という工程で造る模様ですが、ゴテゴテせずすっきりした味わいで、小生御薦めの逸品です。宮本武蔵シリーズでは この鎚目黒鞘が一番良いのでは?と思います。下の真鍮柄と微妙な価格差ですが こっちが良いかなあ?難しいですね。刃付け・刃持ちも優れています。


剣聖・宮本武蔵 真鍮柄 特大・大

「特大」SK材割込 全長220mm 刃長95mm 鞘長120mm 刃厚3mm 刃巾16mm 重量70g チキリ穴無 両面凡座金 ¥1890

「大」SK材割込 全長175mm 刃長75mm 鞘長100mm 刃厚2.8mm 刃巾2.8mm 重量45g チキリ穴無 両面凡座金 ¥1260

宮本製作所は その昔組合所属で「肥後守」を造っておられました。退会の理由は存じ上げませんが、当時は「丸宮」マークで固定ファンが大勢居たのです。丸っこく小さめのチキリが特長でした。この真鍮柄が当時の「丸宮肥後守」の姿を彷彿とさせるものです。何れも本家肥後守と比べ持った感じが繊細というか軽い感じが 実重量よりも目立つ。最初から かなり切れ味が鋭い。なにより本家カネ駒製品よりも圧倒的に造りが丁寧であり 箱出しの状態での切れ味も良い。チキリも奇麗に鍛接されていて丸宮時代を彷彿とする丸っこい形状。柄材のヨレやズレも殆ど見られない。(指紋は私)惜しいのはクセが無いぶんだけ全体的にこじんまりしていて存在感まで薄くなっているところ。初めて肥後守を使うとか買う場合 鎚目黒鞘が御奨め。これらの製品はe-刃物.comで御世話になった。(なぜか探しにくいので直リンクです)こちらも御薦め。


剣聖 宮本武蔵 特大・大 クロム柄シリーズ

特大 刃材:利器材 柄材:クロム 全長220mm 鞘長120mm 刃長100mm 刃巾16mm 刃厚3mm 重量70g チキリ穴無 両面凡座金 1260円(税込)

 刃材:利器材 柄材:クロム 全長175mm 鞘長95mm 刃長65mm 刃巾12mm 刃厚2.8mm 重量45g チキリ穴無 両面凡座金 840円(税込)

宮本製作所が作っている「剣聖 宮本武蔵」シリーズの最廉価版である。廉価版とは言え とても造りが丁寧である。宮本製作所が肥後守を造っていた時代は「丸宮」を名乗っており 今でも固定ファンがいらっしゃる。特長は丸い形状のチキリで この宮本武蔵シリーズにも受け継がれている。全く初めて肥後守・肥後ナイフを購入するという方にお奨め。クロム柄の裏側には宮本武蔵の絵ではなく「割込請合」の刻印が有る。刃体は真鍮柄の物と同一(と思う=自信が無い)。真鍮柄の刃体には「割込」の刻印が有るがクロム柄には無い。代わりに柄に「割込請合」と刻印が有る。切味も刃持ちも良い。ナイフ全般に言える事だが仕上げを見る場合に刃をエッジ側から見て「ベベル・ストップ」(刃が終る部分)が左右対称になっているか?を確認する。工作精度が悪い場合 左右の刃の厚みが違うし長さも違うのが すぐ判る。この宮本武蔵シリーズは全品狂いが無い。工作精度が高い証明である。またヒンジピンはカネ駒より少し細いが何ら問題にはならない。チキリも奇麗に整形されており丸宮時代からの丸っこい形状である。実にお買い得なのだが残念なことに市場に流通している数が少ない。宮本製作所のWEBページには つい最近までラインナップとして掲載されていたが2006年8月の段階ではカットされていた。せっかくのHPだったのだが掲示板がエロ系書き込みで炎上してしまい連絡先アドレス以外は消されてしまっている。興味の有る方は上記サイトから連絡してみてはいかがだろうか?価格は真鍮柄より安価で刃材は多分同じものである。


肥後守利光/近宗・木屋(カネ駒OEM) 2007年9月Yahooオークションで入手 

刃材:青紙割込 柄材:真鍮柄の上に紫檀貼り 全長215mm 鞘長125mm 刃長90mm 刃幅15mm 刃厚2,8mm 重量86g チキリ穴無 両面凡座金(座金の頭を研摩してある)

製造中止になって久しい東京日本橋「木屋」特製肥後守利光である。中央通りを挟んで日本橋三越の向かい側である。銀座から日本橋にかけては他にも「西勘=カネ駒OEM肥後守有り」「菊藤」「菊秀」「三光」等有名な刃物店が多い。木屋は創業210年程になるそうだ。西勘は150年.........老舗だなあ。

肥後守利光は昭和25年にNo.395825として商標登録されている。登録地は日本橋室町で加東伊助さんという方が登録をされている。木屋のHPを拝見すると代々の主が名乗った名前の様だが 先代か先々代の当主だろうか。ベースになっているのはカネ駒青紙割込特大である。これに木製(ローズウッドかな?)の外皮を被せ丁寧に整形してある。座金もそうだがチキリやサイドの真鍮が見えるボディ右側面の真鍮部分にも丁寧にヤスリが掛けられていて 更に刃の峰も刃先まで丁寧に研磨されている。刃の付根に「木屋」の文字が彫られ それと屋号が刻印されている。木鞘の文字は一字一字彫った溝に金泥を流し込んで埋めてあるという実に凝った造りである。木の部分は真ん中が膨らんでおり中央部分で約2.5mmの厚みが有る。刃もご覧の通り実に精緻な研ぎが施されている。流石に日本橋の老舗である。刻印だけ打ち込んでお終いというのはプライドが許さなかったと見える。これが製造中止になって入手不能になったのは元が取れないからかも知れない。欠点は「勿体なくて使えない」という処である。オリジナルにこういう改造を加えて更に味わい深い物が作れるというお手本のような肥後守である。一回りオリジナルより太いのだが 全く気にならず握り心地は良い。カスタムの良いお手本になりそうである。

ところで裏面の「近宗」が謎なのである。ネット検索でそれらしいのが引っ掛かったのは「ふいご祭」で神田岩本町の金山神社への奉賛者・企業一覧に「有限会社 近宗」という名前が有る位なのだ。ふいご祭で鍛冶の神様への奉賛というからには まず当りか?と思うのだが なぜこの肥後守の柄に近宗の刻印銘が有るのか全く解らない。


登録商標 千吉肥後守 縦折り 2007年8月入手 

刃材:全鋼 柄材:クロム 全長157mm 鞘長88mm 刃長72mm 刃幅12mm 刃厚23mm 重量35g チキリ穴有 両面凡座金

ちょっと悩ましい肥後守なのである。くっきりと打たれた梅鉢の刻印は資料によると「文化」という名前の肥後ナイフのものなのだが カネ駒所有の刻印リストには この「千吉肥後守」が存在し しかも

「三木市 藤原産業」とはっきり記されている。実物も非常に重厚な作りで見た目より重い。刃材も しっかり熱処理されている様である。文献資料よりも刻印の方が正確に残ったのかも知れない。

しかし梅鉢の紋となると「加賀百万石 前田家」の家紋である。落語好きなら「狸骰」(たぬさい=サイコロの5の目を「梅鉢」と)とか「妾馬」(めかうま=無粋にも八五郎出世なんて言い換えたのも有る。妾が放送禁止語だそうな)の赤井御門守(東大の赤門=前田家江戸屋敷)で有名な紋である。金沢からの注文で藤原産業が作ったものだろうか?


登録商標 開運肥後守 縦折り 2007年8月入手 

刃材:全鋼 柄材:クロム 全長175mm 鞘長98mm 刃長77mm 刃幅12mm 刃厚2.8mm 重量43g チキリ穴有 両面凡座金

これも戦前 三木市の藤原産業で作られた名品である。七年掛けて初めて手にしたが入手時は錆の塊で ここまでレストアしたが これ以上バフや磨きをかけると刻印が消滅する為ここまで諦めた。非常に重厚な作りで見た目よりも重く鞘材も分厚いもので縦折りでもビクともしない強さを持つ。これも資料に残っているが カネ駒所有刻印リストにも確認できる為以前から探していたものである。

コレクターを志す方なら「チキリ穴」「座金」にポイントを置いて探すと名品に当たる確率が上がる。


薩摩健児 縦折り 2007年8月入手  

刃材:全鋼 柄材:クロム 全長127mm 鞘長78mm 刃長60mm 刃幅12mm 刃厚2.4mm 重量23g チキリ穴有 両面凡座金

「学童用」にも二種類掲載したが詳細不明の肥後ナイフである。この個体はチキリ穴が開けられ最高級版である。 相応しく分厚いというのか「ごつい」柄材で しっかりした刃材の熱処理がされている。刻印も細い文字でも くっきりと深く打ち込まれている。小振りな縦折り肥後ナイフだが しっかりと手間を掛けて作っている。名前から見て鹿児島県に縁のある地場産業なのだろうか?丁寧な造りで実に好ましい肥後ナイフだと思う。


登録商標 桜に忠のマーク 肥後守一成 縦折り 07年3月Yahooオークションで入手 

刃材:利器材 柄材:クロム 全長275mm 鞘長150mm 刃長125mm 刃幅19mm 刃厚3.1mm 重量121g チキリ穴有り 両面凡座金

ちょっと見ない程の巨大サイズの縦折り肥後守である。カネ駒OEMであり三木市池尻○一氏で資料に名前が残っている。しかし縦折りでこれだけ巨大なものは初めて見た。縦折りは強度が長軸方向に弱く あまり大きなものは造れないというのが通説でしたが「一成」は柄材の厚みを1.6mm(普通は1.2mm)にする事で解決しています。ま、高級版縦折り肥後守は1.6mm厚が多いのですが。。特筆すべきは この刃の仕上げ。前オーナーによって「ベタ研ぎ」がされたのか きれいなフラットグラインドである。薄くサビが浮いてきていたので水研ぎしたところ利器材のラインが出現、全鋼ではなかった。戦後のものということになる。座金は真鍮の凡座金で表裏二面とも入っている。

※恐らく戦前物と思しき「大」サイズの個体を「戦前」の方にも掲載した。


全鋼 肥後守久宗 特大&中 2007年9月Yahooオークションにて入手 

特大 刃材:全鋼 柄材:クロム 全長215mm 鞘長123mm 刃長93mm 刃幅15mm 刃厚2.9mm 重量61g チキリ穴無 片面凡座金

中サイズ 刃材:全鋼 柄材:クロム 全長160mm 鞘長90mm 刃長72mm 刃幅12mm 刃厚2.3mm 重量29g チキリ穴無 片面凡座金

三木市産の正式な肥後守である。割込製の物には「丸にTA」の刻印が有る筈だが まだ入手出来ていない。この肥後守の変わった点というか特徴は「鳩目」ではないのである。ボルトナットで刃を固定して ナットの頭半分とナットの角を落としてある。洋式ナイフの柄材の留め方に似ている。せっかくだからボルトナットのナット側の端を叩いておくだけにしてあればねじ回しで緩み解消出来るのだが。だから表面(刻印面)は座金だが裏面は座金ではなくナットなのである。こういう留め方をした肥後守&肥後ナイフは他には無い。刃は全鋼だが恐ろしく丁寧に研がれている。しかも凄く固い。熱処理がきちんと行われている証拠だろう。チキリも叩かれ整形されシンメトリーになっている。宮本武蔵に似ているのだが柄材が1mmの物を使っており かなり重たい感じがする。これだけコンディションの良いものが入手できたのは奇跡に近いかも知れない。


番外編 WR.Case-Russlock ハニーブラウンボーン  オクで¥6480円

刃材;ステンレス 柄材;ジグドボーン 全長156mm 鞘長90mm 刃長60mm 刃幅17mm 刃厚2.4mm 重量76g

以前から気になっていたケース・ラスロックであったが大きさの割に18375円(代理店扱)が災いして購入を躊躇っていた。先日オークションで相場の半分程度で新品が購入できた。なぜ気になっていたか、というと当然このチキリ類似の構造物である。実物を手に取ってみると思ったより小柄でカネ駒肥後守の「中」と同じくらいである。和製と違い刃体部から斜めにカーブを描いてチキリ?が突出しているのでパワーを掛ける方向が妙な具合である。実物は正にこれは「チキリ」そのものである。ただ突起が引っ掛かる事を恐れたのかチキリ先端をグリップの方に曲げている為完全に刃をオープンすると 普通の刃の形状では非常に具合の悪い事になる。チキリもカーブして柄の先端に当たって止まる。なのでシープフット型の刃を先端に向かって強く彎曲させることで使い勝手を良くしている。造りは丁寧でアメリカ製マスプロナイフとしては合格点。切れ味だが箱出しでは「並」である。薄刃の割には食い付きが悪い。使い勝手だが この大きさで何故にソングホールが無いの?ポケットの中で行方不明になるぞ。それと4枚目の写真でグリップ下に有る蒲鉾型の構造物が「ライナーロック」である。これだけ大きなものがグリップ内部に有る為 刃体部中心線がグリップの中心線から外れている。細かい事を気にしない米国製らしい。まあ160年間これで通してるんだから伝統なんだろう。それから刃の面積が少ないのが利点の場合も有るが(魚を捌くとか)欠点も多い。鉛筆削りやデスクナイフにすると妙に使いづらい。刃をオイルストーンでタッチアップしてから使う物なのだろうが 妙な点が肥後守と似ている。和式肥後守&肥後ナイフに飽きて洋式を一本位買ってみようという方にはお勧めである。ただチキリ類似の突起の付いた変形洋式ナイフだと弁えて購入するべきである。実勢価格が1万ちょっと、オクで探すと結構安く入手可能である。CASEでは他にロールアップヒルトで有名なCHEETAH(チータ)シリーズも気になる存在である。


番外編 William Henry Knives Legacy Collection 17000円〜23600円 Knifewebで購入。

全長139.7mm 鞘長80.0mm 刃巾16.4mm 刃長60mm 刃厚2.3mm 重量19g 鋼材:ZDP-189 ハンドル材:カーボンファイバー

洋式ナイフの雄William Henry Knives作の洋式小型肥後ナイフ。小さいけれど ちゃんとしたチキリが有り ロックシステムは無い。スリップジョイントで刃を畳んだ時と開いたポジションで「カチッ」と軽く止る。ロンウルフのシティナイフよりも軽いタッチである。刃はZDP-189という日立金属株式会社が開発した刃物用鋼材を使用。この素材は、粉末鋼系に続しており、鋼を粉状にして成形・焼結させる粉末治金法と言う製法で作られる。この方法で作られた鋼は、分子が密でキメ細かい素材になる。この製法により、硬度が高い材料になり、その硬さを得るためにサブゼロ処理が行われる。サブゼロ処理subzero coolingというのは、焼き入れしたものをすぐに0℃以下(実際には-80℃ぐらい)に再急冷する処理。硬度は数字で言うと67HRC位になる。(相当硬い素材です)普通のステンレス素材だと こんな処理をしたら割れたり砕けたりしてしまいます。

ハンドルは本物のカーボンファイバーです。カーボン風のマイカルタではありません。このLegacy Collectionは いわば歴史的なものである。今まで存在しなかった「海外有名メーカー製の肥後ナイフ」である。それもWilliam Henry Knivesと言えばマスプロとカスタムの中間を行く、仕上げの美しさに定評が有るメーカーです。創業は90年代半ばで比較的新しい。米国の雑誌「ブレイドマガジン」主催のブレイド・ショーでKnife of The Yearを初め様々な賞の常連として名高い。丁寧な造りの刃とハイテク素材や天然素材をふんだんに奢ったハンドル。流行に流されず、独自路線を歩む姿勢に共感する固定ファンが非常に多い会社である。このナイフも 刃のミラーフィニッシュは完ぺきなミラーになっており チキリは左右から少しづつカッティングを施された幾何学模様。フレームを固定しているワッシャーは特殊なデザインのものを使用。カーボンファイバーのフレームは とても軽いのだが流石にF1の素材で 押しても全く変形しないし美しい。7枚目の写真は 日本の誇る原幸治・肥後守、こちらも粉末鋼のカウリYを用いている。HRC・63~64と少し柔らかいが 逆に研ぎ易いと言える。最後の写真は「洋式ナイフ的肥後ナイフ」のNEW晶之守 VS「肥後守風デザインの洋式ナイフ」の比較である。こちらは刃体に伝統的な鎚目が残る和洋折衷型肥後ナイフである。日本では絶滅危惧種に指定されかけている肥後守・肥後ナイフが海外で生まれ変わって逆輸入されるのは嬉しいのですが ちょっと複雑ですね。


番外編その2  MASTER-USA・LEATHER WRAP POCKET KNIFE・MU-1047 2006年9月 YaHooオークションで入手 

刃材:440C 柄材:アルミ合金 全長215mm 鞘長120mm 刃長83mm 刃巾28mm 刃厚3.0mm 重量144g グリップは革紐巻 ライナーロック US eBayサイトで$6.99=120円換算で838円位

2006年9月初旬、YaHooオークションに見慣れない「チキリ」付きのフォールディングナイフが出品されている事に気づいた。マスターUSAという会社の物。ま 中華ナイフであるが 日本を強く意識したデザインで 相当大柄なボディに見えた。ナイフメーカーの間に「肥後守・肥後ナイフブーム」とか「肥後守ムーブメント」でも起きつつあるのだろうか?早速応札し、ライバルを二人ほど蹴落とし無事落札。現物が届いてみると予想通り大柄である。重量感も有る。グリップが革紐巻なので実寸以上に太く感じられ、握った時の触感が好ましい。刃材は440C。安価なナイフで好んで使われる素材である。マットブラックに塗られている。オーソドックスなスピアー型のブレードで好感が持てる。タントー型だとクサくなる。グリップはアルミ合金らしく そこに黒ウッドマイカルタのハンドル材をネジ止めしてある。英語サイトだと「パーカウッド」になってます。パーカウッドは積層木材(簡単に言えばベニヤ)の事ですが この個体の素材は木より合成樹脂の分量が圧倒的に多い。独特の酸性臭も有る。チキリは長さ18mmと明瞭に飛び出している。ワンハンドでオープンが可能だが ライナーロックが有りワンハンドクローズはムリ。個人的にはライナーロックは好きじゃない。最近の中国製は仕上げが良くなっているが熱処理については どうなのだろう?どうやら最初はオートナイフを志した形跡が有る。オートのギミックを外したのではなくメーカーで挫折したのか「キック」部分が妙な形状で出張っている。全体の印象は「晶之守」のライバルに見える。晶之守は「フレームロック」だが。(最後の二枚は晶之守VSMASTER-USA)見た目は随分違うし意図したところも随分違う、しかし出来てきたものは相似形になってしまっている。更に このLEATHER WRAP POCKET KNIFEのe-bayでの米国価格は千円以下である。8枚目は大きさの比較の為「菊秀 特大」と比較したもの。いつもカネ駒だと飽きるので(^^ゞほぼ全長は同じだが肥後守・肥後ナイフのスリム&シンプルさが判る。

だけどGoogleの自動翻訳でe-Bayのサイトを翻訳したらこうなった。輪郭を描かれた革が付いている固体戦術的なポケット・ナイフは慰めのグリップのためのハンドルを包んだ。*本革の覆いが付いているPakkawoodの黒いハンドルおよび鋳造アルミはささえる。加えられた安全のためのはさみ金ロック。速い1番のための刃の耳を搭載する440ステンレス製の刃は開始を渡した。

原文はSolid Tactical Pocket Knife withハcontoured leather wrappedハhandle for comfort grip. Black Pakkawood Handle with genuine leather wrap and a cast aluminum bolster.Liner Lock for added safety.440 Stainless Steel Blade withハblade ear for quick one handed opening.

んー何となく判るって言えば判るんだが、チキリは英語で言うと「速い1番のための刃の耳なのね.........怪訳。


★超ウルトラ級番外編 「The Raze Tac」・MasterCatlery 2006年10月入手 

刃材:440C 柄材:ステンレス+ウッドマイカルタ 全長180mm 鞘長108mm 刃長73mm 刃巾22mm 刃厚2.2mm 重量114g

和式剃刀と肥後守を力技で無理矢理合体させ,中華風の味付けをすると斯様な代物になるという御馬鹿系中華ナイフ。洒落じゃなく線量測定機で残留放射線は?と測定したがバックグラウンドと区別出来なかった。その壊れたセンスの破壊的御間抜けパワーに負けて購入してしまった。日本人には思いつかない物凄く奇抜なデザインである。これを肥後守の頁に掲載するのも大問題だが「チキリ」が付いているわ 和式剃刀形の刃が(スリットが開けてあるが)日本風?だわ、で勢いに負けて掲載してしまった。ちなみにリバートップで4800円、キャッチコピーは「かみそりナイフ」である。まんまヒネりは無いが その通りである。刃厚は洋式にしては薄く、ナイフカタログでも こんな形状の刃は記載が無い。全体を薄くした為強度が低く 畳んだ状態ではフォルダ内で刃がぐらついている。刃を出した状態ではチキリがフォルダに嵌り込んでグラツキが解消する。なあるほどチキリを利用するデザインも有るのだな。リバートップは価格設定が比較的高めだが ちゃんと刃を研いでから出荷してくれる手数料だと思う。ホームページは普通人が見ても面白い。